ジョージ・ハリソンが歌う”Line”の意味

 

 

現在の日本で「ライン」と言えば、まずはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の無料通信アプリのLINEを思い浮かべると思います。現在7500万人ものユーザーが、毎日欠かすことが出来ない連絡手段として頼っています。

コミュニケーションのline

「ライン」のような通信アプリがLINEと名付けられる訳には英語での“line”という言葉の使い方にあると思います。英語では、電話で話し中のことを“on the line”と言います。また、電話に出た相手を確認する場合は“who is on the line? ”と尋ねます。

勿論、電話線そのもののことをtelephone line(またはwire)と言いますが、物理的な配線のことより、電話で人と「つながっている」との意味合いでlineが使われることが圧倒的に多いと思います。

歌の中のline

電話に関する使い方以外でも英語のlineにはいろいろな意味があるようです。

元ビートルスのジョージ・ハリソンが主要メンバーだったsuper group「トラヴェリング・ウィルベリーズ(Traveling Wilburys)」のヒット曲に「エンド・オブ・ザ・ライン(End of the Line)」があります。その歌詞の中で、言葉遊びのように“line”を幾つか異なった意味で使っています。その中の二つを紹介します。

You can sit around and wait for the phone to ring, at the end of the line(電話の前で、ただただベルが鳴るのを待ち続けるのも良いでしょう)”

Well it’s all right, we’re going to the end of the line(気にするな、どうにかなるよ、俺達は終点までこの汽車を乗り続けるのさ)”

最初の例は、おなじみの電話回線に関わるlineの使い方でした。しかし、2番目では、電車やバスの「終点」を意味する“end of the line”に引っかけて「人生の終点」、つまり死を暗示する意味で使っているように思えます。

 

この他に、グレン・キャンベル(Glen Campbell)の“Whichita Lineman”という曲があります。それは、題名の中のlinemanの文字通り、田舎の電話配線の修理係が歌うラブソングでした。

また、同じカントリーシンガーの大スター、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の名曲“I Walk the Line”は、自分の新婚時代、新婦へ「善と悪の間に引かれた細いlineを真っ直ぐ歩む」という誓いの気持ちを込めた歌だったそうです。

その他のline

この他に、数え切れないほどlineの使い方があるようですが、興味深いと思ったのは、“line of work”は「職業、業種、専門」の意味で使われるようです。

また、人物や動物に使う“line”とは“bloodline”、つまり血統のことを指してます。

圧倒的に「Line=線」という意味で使われる場合が多いのですが、lineにはそれ以外の意味がこれだけあるのは興味深いですね。

機会があればまた更に探ってみたいと思います。

 

あとがき:トラヴェリング・ウィルベリーズについて

Traveling Wilburysとは1988にジョージ・ハリソン(George Harrison1943-2001)の呼びかけで、ノーベル文学賞受賞でも話題となったフォークロックのボッブ・ディラン( Bob Dylan1941- )、「プリティ・ウーマン」で有名なロイ・オービソン(Roy Kelton Orbison、 1936-1988)、トム・ペティ(Tom Petty、1950-2017、The Heartbreakers)およびジェフ・リン(Jeffrey Lynne、1947- 、エレクトリック・ライト・オーケストラ)の5人が結成したスーパーグループのことです。

しかし、当時は、それぞれ別のレコード会社と契約中だったため、アルバムは、ウィルベリー一家の家族バンドの制作として、みな偽名を使い、外出するときはサングラスを掛けていたという逸話があります。

2枚のアルバムを世に出し、グラミー賞も受賞しましたが、最初のアルバムの発表直前にロイ・オービソンが急死したこともあり、バンドはコンサートを行うこともなく、自然消滅してしまいました。

今はジョージ・ハリソンもトム・ペティも他界し、再結成は叶いませんが、今でもこのバンドのファンが増え続けていて、バンドのユーチューブ動画の再生回数はどんどん伸びています。

過去にもスーパーグループとして売り出した寄せ集めメンバーのバンドは数多くありましたが、多くのロックミュージックファンには、The Traveling Wilburysこそが正真正銘のSUPER GROUPだとして、未だに高く評価されています。

 

 

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